沢木耕太郎に憧れて…PC.スマホのない旅⑤欲望の街…思い込み

ハジャイの中心地にあるレストランは燕の巣やフカヒレを提供する観光客向けのそれが多い。
価格もそれなりにするのだろうと言うことは簡単に想像が付く。
だが気を付けなければならないのは露店や屋台だ。
通常、露店や屋台の類は格安であろうと言う思い込みがある。
ある時、タイ南部ではお馴染みのカオモッガイ(チキンビリヤニ)を買った時の事だ。
その時は注文する時に値段を聞くのをすっかり忘れていた。
品物を受け取り、値段を聞くとハンドレットバーツ

少し高いかなとは思ったが、その時の私は旅の経験も浅くタイ語も全く分からない。
出来てもカタコトの英語だけだった。
そんな私には彼女の言い値でそれを買うしかなかった。
その後も幾度となくこのハンドレットバーツ!を
耳にする事になるだが…
必ず先に値段を尋ねる事で回避出来る様になっていった。
翌日私は散策と下見を兼ねてハジャイのバスターミナルまで歩いて見ることにした。
地図で確認するとバスターミナルの近くにダイアナコンプレックスと言うショッピングモールがある。
先ずはそこを目指して歩こう。
旅社を出てしばらく歩き、ドブ川を越え右に曲がるとカラオケやパブの看板が見えて来た。
更に進むといくつかの中規模ホテルや怪しげなマッサージ店も見える。
後で分かった事だが、このダイイチホテル周辺は置屋街として有名な場所らしい。
昼下がりのその街は人も疎らで気怠い雰囲気だけが漂っていた。
ダイイチホテルの裏の遊歩道沿いを進むと大きな通りに出た。
通りの向こうに大きな建物が見える。
あれがダイアナコンプレックスだろう。
通りの向こうに渡るにも横断歩道などはない。
車の往来が途切れるのを待って向こう側に渡った。
ここまで来ればバスターミナルまではもう少しだ。
ダイアナコンプレックスの前を過ぎ、ガソリンスタンド先の交差点を右に折れる。
ここを更に進めば目的地のバスターミナルだ。
バスターミナル(ボーコーソー)に着くと多くの人々から声が掛かる。パイナイ?パイナイ?
私はパッタニーと答えた。
するとひとりの男がパッタニー行のチケット売り場まで案内してくれた。
クアラルンプールのプドラヤバスターミナル様に案内料を上乗せして請求されるのではないかと思ったりもしたが、そんな事はなかった。

余談になるがハジャイのバスターミナルの売店ではマレーシアリンギットからバーツの両替も出来た。
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